「Thunderbolt 4対応USB Type-C超高速ポートで外付けストレージを使ってみた【試した製品:HP Elite Dragonfly G2】」
Thunderbolt 4対応超高速ポートを体験してみました。やっぱり速さは正義です。ノートパソコンには外部ストレージを接続するためのポートが複数種類あります。ノートパソコンに保存されているデータを誰かに渡したい、あるいは、念のためにコピーを確保しておきたいときに便利なのがUSBメモリーに代表される外部ストレージですが、大容量のデータをやりとりしたいとなると、その読み書きのスピードは重要な要素です。
Type-AポートとType-Cポート、そのカタチと速度の違い
パソコンに装備されているUSBポートは、そのポート形状が2種類あります。ひとつがType-Aで従来からお馴染みの板状のプラグを装着します。もうひとつはType-Cで、Androidスマホなどでお馴染みのものです。Type-Cポートは裏表の区別無く装着でき、さらには、パソコンへの充電のためにも使うなどで普及し始めています。
Type-AとType-Cはプラグ形状の規格で、それを使ってデータ転送をするときの規格はまた別にあります。形状がType-Cでも低速しか出ない規格にしか対応していなければデータ転送も遅くなります。パソコンのポート、ケーブル、ストレージのうち、どれかが低速なら、その速度になってしまう点に注意しましょう。
USBの速度、つまり帯域はその世代によって異なります。一般に、
Type-Aポートで使われるUSB規格と速度
480Mbps
5Gbps
10Gbps
Type-Cポートで使われるUSB規格と速度
20Gbps、40Gbps
USB4 Gen. 3(Thunderbolt 4)
旧世代USBシリーズに加えてその2レーンを同時に使った倍速転送(×2)
などがお馴染みです。Gen. は「ジェネレーション」を意味し、規格の世代を指します。また、Thunderbolt 4はIntelによるUSB4の別名称で、オプション要件を包含した最高性能が保証されたUSB4規格です。
同じSSDでもType-Aにつないだときと、Type-Cにつないだときでは、読み書きで大きく速度が異なる可能性があります。さらに、形状がType-CでもそのポートがサポートするUSBの世代次第で速度が異なるのです。
同じ形状のポートでも対応規格が異なる
同じ形状のポートでも、どの規格に対応しているかはノートパソコンごとに異なります。たとえばこのブログで各種スピードチェックに使っているHPのElite Dragonfly G2の仕様をチェックすると、
- Type-A ポート USB3.1
- Type-C ポート Thunderbolt 4
と記載されています。Type-AポートのGenが記載されていないのですが、おそらくGen. 1です。その場合の帯域幅理論値は5Gbps、後者のThunderbolt 4はUSB4を包含するので20Gbpsとなります。仕様上、実に4倍の速度差があることがわかります。
一方、高速な読み書きををセールスポイントにする外付けストレージが各社から発売されていますが、ここではサンディスクの外付けSSD「サンディスク エクストリーム プロ® ポータブルSSD V2」で試してみます。スペックとしてはUSB 3.2 Gen. 2×2で、理論値は20Gbpsとなります。
このSSDのパッケージには最大読み出し速度、書き込み速度ともに2,000MB/秒と記載されています。これをbps換算すると約16Gbpsです。Gen. 1の5Gbps接続では規格がボトルネックになることが予想できます。
Thunderbolt 4ポート接続が圧勝
実際に試してみました。新しい世代の規格はやっぱり高速でした。ディスクの読み書き速度を計測するための定番ユーティリティ「ChristalDiskMark」を使って、読み込み、書き込みの速度を大小のシーケンシャルファイル、ランダムファイルを計測しました。
ケーブルは「エクストリームプロ」に同梱されているものを使いました。2本のケーブルが同梱され、1本はType-AプラグーType-Cプラグ、もう1本は両端Type-Cプラグです。SSD本体に装備されているポートはType-Cだけです。また、参考までに本体内蔵SSDの値も添えておきます。
- Type-Cポートに接続したSSD 約97秒、約600MB/秒
- Type-Aポートに接続したSSD 約190秒、約278MB/秒